好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
このまま、時間が止まればいいのに…



そう思ったけれど無情にも自転車が置いてあるところに着いた。



「由奈、着いたぞ」



『あっ…うん…』



育の自転車から降りる。



『重かった?』



「当たり前だろ。」



育がクスっと笑いながら言った。



『ひどぉーい』


私が怒ったふりをすると



「嘘、嘘。お前、ガリガリじゃん。ちゃんと飯食ってんの?」


『食べてるよっ!育も毎日見てるでしょっ』



「ん…まぁな…」



どうせ…
胸がないとか思ってるんだろうな…



私は少しふてくされながら自転車の鍵を差し込んだ。


あーぁ…
もう別々の自転車で帰らなきゃ行けないのか…



もう少しああやってしときたかったな…



そう思いながら自分の自転車にまたがった。
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