好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
『…育君はさ……由奈だけをずっと見てたんだよ…』




『…ど…どうして…それはないよ…』






私は、驚いてそれ以上言葉が出ない…





『由奈を忘れる為に仁美と付き合ってたんだと思う…』





『…………』





『わざと、冷たく当たったりして、由奈が諦める様に自分から仕向けたんだろうね…』





『…そんな……』





『じゃなかったら…お化け屋敷であんな風にはしないはずよ…育君…ずっと我慢してたんだよ…』




『………』





『だから…ああやって…誰かに支えてもらわないと歩けない程、精神的にもズタズタになって…』






私は、フラフラと支えてもらいながら歩く育の姿を思い出す…





何故か…




今は、昔、育が笑っていた時の笑顔が頭の中で、グルグルと回っていた…


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