好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
堤防は少し山のようになっていて、真っ暗でネオンの明かりだけがホタルのように輝いていた。


「ここ、俺のお気に入りなんだ」



そう言って自転車から降りた。



私も育の隣に自転車を置き、育の隣に立つ。



『んーっ。気持ちいい』



私は大きな伸びをする。



育はチラッと私を見て笑みを漏らしながら座った。



「でっかいアクビ」



『ち…違うよっ!伸びだよ…伸び!』



育は私を見てクスクス笑う。



私はいつもいじられ役だ…。
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