好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
キーンコーン――
カーンコーン―――



学校のチャイムが私達を現実の世界に引きづり込む…



「………」



『………』



「……そろそろ…行こうか」



『…うん』



育が座ったままの私に手を差し伸べる…



私は育の手に掴まり立ち上がる…



真っ黒なカーテンの隙間から光が差していて…



育の顔を照らしていた…



「…じゃあ…ここで…」



『…うん』



私達は怪しまれない様に別々に戻る事にした…




「…由奈…先に行けよ…帰り道解るよな?」



育が意地悪そうに微笑んだ。



『わっ…解るよっ!自分の学校で迷子とか…あり得ないでしょ』



「…嫌…由奈ならあり得る…」



『…んもぅ…失礼ねっ』



私が怒ると、育は優しく微笑んだ…
< 316 / 408 >

この作品をシェア

pagetop