好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
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どのくらい時間が経ったのだろう…



育と私は真っ暗な部屋で…


ボンヤリと月を眺めていた…



「………なぁ…由奈は……その……」



『…産みたい…』



育が驚いた表情で暗闇の中、私の顔を見つめた…



「……産むって…まさか……」



『…産みたい…育の赤ちゃんだもん……』



「…無理だ…由奈…それだけはダメだ…俺達は…血が濃い過ぎる…まともな子供が産まれて来るとも限らない…」



『…っ…それでもいい…産みたい…』



私には…




下ろすって事は考えられなかった…



『ねぇ…育…お願いっ…私…独りでも育てるからっ…お願い…お願い…』
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