好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
ジリジリ――――



『ん………』




目覚まし時計がけたたましく鳴り響く。




『ん……ハイハイ…解った解った…』



私はいつもの様に目覚まし時計を止める。



部屋の仕切りのベニヤ板の方を見てもまだ育が起きた気配はない。




『育~。朝だよ…起きて』



私は仕切りに向かい育に話しかけながら制服に着替える。




育からは返事がない。




『あれ…もう起きて行っちゃったのかな…』




『育…育?』




私は鞄を持ち部屋を出る。


育の部屋をノックした。



コンコン―――



『育?もう行ったの?』
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