好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
「…もしもし?あーやっとでた」



『…』



「由奈、何も言わなくていいからちゃんと聞いて?」



『…』



「俺な、由奈との事ちゃんと考えてる。さっきの由奈の言葉、俺の事思って言ったんだろ?」



『…』



私は育の声を聞いた途端、涙が溢れ出てくる―――



私って―――
こんなにも弱かったんだ…



「…泣かないで…俺も辛くなるし…」



『…』



「由奈は何も心配しなくていいから…なっ?」



『…』




沈黙が流れる…




『…く…大学…行って…』




「…えっ…」



育が驚いたのか、無言になった…



『…大学に行ってもいいよ…育の行きたかったところ…』




「…なん…で知ってるの…?」



『…仁美から聞いた…』



「…」



育が無言になって…


荒い息遣いだけが聞こえてきた…
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