賭けで動く恋
「百合さん、何にします?」
「ん~、あ、これにしよう。抹茶と3種類のお団子セット!恵実(エミ)は?」
「私は黒蜜きな粉のわらび餅にします」
それぞれ決めて店員さんを呼んで注文した所で今回の戦利品について報告しあった。
「そっちはどうだった?」
「とっても素敵な柄の布が沢山あったんです!もう見てるだけでデザインが溢れてきて大変でした。
百合さんはどうでした?」
「こっちも大収穫!早く帰りたいね」
わくわくと小さな子供みたいにはしゃぐ百合さんに頷いた時、ウィンドウチャイムが涼やかな音をたてた。
何とはなしに横目で見た扉の外側にいたのは30代位の男性2人組みで、カフェで見るには違和感のある光景に自然とその2人を目で追いかける。