賭けで動く恋
「卑下するのは止めなさいと何度も言ってるでしょう。
自分を貶める言葉を言う度に口づけで塞ぎますよ」
細くした目で私を見る淳さんに何回も首を横に振る。
今はほんの少しの間だったから記憶が飛ばなかったけど、また飛んだら絶対に取り乱す自信がある。
必死で首を振る私を見て、
「そこまで口づけを嫌がられるのは悲しいですねぇ」
と淳さんがため息をついた。
それにそんなつもりじゃない、と慌てて反論する。
「ちが…っ、心地よすぎて意識が飛んじゃうから」
そこまで言ってハッとして手で口を覆った。
私ったら何て事を口走ってしまったの。
「そうですか、私とのキスは意識が無くなる程気持ちいいからしたくない、と。
ならたくさんして慣れていきましょうね、恵実さん」
恥ずかしさで半泣きな私とは逆に、色っぽく笑う淳さんに危ないものを感じて急いで話しを戻す。