キミに、恋に落ちる。

 棗さんが車を発進させたのを見て、私も会社へと歩き始める。

 社員通用口まで行くと、丁度見慣れた後姿の先輩が目に入り、嬉しくなった私は早足でその先輩へと駆け寄る。


「おはようございます、柏木先輩」

「あら、おはよう。今日も相変わらず可愛いわね、永遠(トワ)ちゃん」


 にっこり、と。

 それこそ“美人”代表と言って良い程の美貌を持つ柏木 湊(カシワギ ミナト)先輩は、私が入社してからずっと、私を可愛いと褒めてくれる。

 お世辞だって解っていても、やはり美人な先輩にそう言って貰えるのは凄く嬉しくて。


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