キミに、恋に落ちる。

「わぁ……! いつも貰ってばかりですみません。だけど私……――」


 正直、これだけの化粧品を貰っても。

 私が自分に施せる化粧なんてたかがしれていて。


「お化粧が上手く出来ないんでしょう?」


 そんな私なんかお見通しと言う感じで、先輩はふふりと笑みを浮かべる。


「任せて頂戴。自分の化粧も、人にする化粧もあまり変わらないから」


 そうして先輩はにこにこと笑顔のまま、私を更衣室の一角にあるパウダールームまで連れて行ってくれて。


「永遠ちゃんは元々色白だし、整った顔立ちをしているから」


 化粧のし甲斐があるわと言いながら、先輩は慣れた手つきで私の顔に化粧を施していく。

 毎日見ていても、先輩の手で作られていく鏡の中の“私”は、普段の私より数段綺麗に見えて自分自身でドキドキしてしまうくらい。



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