キミに、恋に落ちる。
「おはよう。柏木さん、如月さん。今日も相変わらず綺麗だね」
「おはようございます、四之宮(シノミヤ)さん。四之宮さんこそ、今日もお口が滑らかですね」
にっこり、と。
それこそ最上級の笑みを浮かべながら、柏木先輩の口から零れ出るのは笑顔とは反対のきつい言葉。
けれどこれももう慣れたもので。
「ははっ。営業は口の滑らかさが命だからね。まぁ、俺は本当のことしか言わないけど?」
「そう言う事は営業先でアピールされると宜しいと思います」
うふふ、と笑っているのに笑っているように思えないのは、四之宮さんは明らかに柏木先輩に好意を抱いているのに、それを柏木先輩が嫌がっているから。
私からすると二人は美男美女でお似合いだと思うんだけどなぁ……――。