キミに、恋に落ちる。

そんな貴方が好きなのです


「永遠(トワ)~、そろそろご飯食べないとまずくないかー?」

「解ってるー!」



 控えめな化粧をして。

 お洒落さの欠片もない黒のゴムで髪の毛を後ろにまとめた後、近くに置いていた鞄を握り締め、早足で一階へと駆け下りる。

 すると黒色のエプロンを纏った棗(ナツメ)さんが穏やかな笑顔を浮かべながら、私に向かって手を洗って椅子に座るようにと促してきた。


「今日も相変わらずギリギリな事で」

「うー……だって、お化粧とか慣れないんだもん」

「ははっ。化粧なんてしなくたって永遠は十分可愛いよ」


 ……バカ。

 棗さんの、ばか。


 何気ない貴方の一言が、どれだけ私をときめかせているか。


 きっと、貴方は一生解らないのでしょう……――。


< 2 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop