キミに、恋に落ちる。
そんな貴方が好きなのです
「永遠(トワ)~、そろそろご飯食べないとまずくないかー?」
「解ってるー!」
控えめな化粧をして。
お洒落さの欠片もない黒のゴムで髪の毛を後ろにまとめた後、近くに置いていた鞄を握り締め、早足で一階へと駆け下りる。
すると黒色のエプロンを纏った棗(ナツメ)さんが穏やかな笑顔を浮かべながら、私に向かって手を洗って椅子に座るようにと促してきた。
「今日も相変わらずギリギリな事で」
「うー……だって、お化粧とか慣れないんだもん」
「ははっ。化粧なんてしなくたって永遠は十分可愛いよ」
……バカ。
棗さんの、ばか。
何気ない貴方の一言が、どれだけ私をときめかせているか。
きっと、貴方は一生解らないのでしょう……――。