キミに、恋に落ちる。

 なんて。

 ありもしない事をぼんやりと考える。



「永遠(トワ)ちゃん?」

「え、あ、はい……っ?」

「ぼうっとしているようだけれど、大丈夫?」

「すみません、少し考え事をしてました」


 なら良いけれど、と。

 先輩は食べ終えたお弁当箱を丁寧な手つきで鞄に仕舞う。

 私もつられるように、棗さんが作ってくれた玉子焼きを口に放り込み、お弁当箱を片付ける。

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