夜桜 ~あなたに出逢って~
次に目を開けたのは8時を少し回った頃だった。
予定していた時間より遅い。
これじゃ、間に合わないかもしれない。
急いで、シャワーを浴びた。
やはり神無月と言う名に傷を付けるわけにはいかないので、黒のウィッグと黒のカラコンをつけた。
まだ、髪の毛が乾いていないが乾かしている暇などない。
髪を束ね、ウィッグを付けた。
もし、海に入って泳いでもウィッグが外れないように何ヶ所かにピンをとめた。
そうこうしているうちに、9時になる5分前だった。急いでサンダルを履き、ボストンバッグを持って、マンションの下に向かった。