封印戦慄映像
 トイレと浴室の扉も寝床と同じ、つやのある黒の素材が使われていた。特に鍵のような物はなく、誰にでも開けられる構造になっている。


トイレと浴室の中央、洗面台の大きな鏡の上には、同じ裸電球が一つ。その近くに陸也はカメラを取り付けていた。


「ねぇー見てみて! ここの扉って、マークを触れば、勝手に開いたり閉まったりするのね! 古い屋敷だけど、ここだけは最先端!」


直子が大声で楽しそうに騒ぎ出した。


冬馬はそんな直子を、はしゃいでいる我が子を見ているかのように優しい表情を浮かべていた。


私達は付き合って一年ちょっと。一年のイベントごとを全てやり終え、丁度倦怠期に入っているのかもしれない。
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