封印戦慄映像
 直子から、視線が私に注がれる。


――いつも変な役を押し付けるんだから!


「え、私? 私は霊能者ってことじゃないの?」


陸也は顎に手を当て、部屋の中をうろうろと歩き始めた。


「……そうだったな。山田さんにはVTRを見せなくてはならないわけだし――じゃ、茂でいいや。こいつオーバーアクションだし、合っているかもな。

こいつの家に不可解なことが起こり始め、助けるためにスタッフが駆けつける。幽霊の正体とは?

みたいな流れはどうだ? これだったら山田家にも迷惑は掛からないだろう」


「そうね! そうしましょう!」


茂の頭を甘く撫で上げると、鼻の下を伸ばし頷いた。
< 27 / 146 >

この作品をシェア

pagetop