封印戦慄映像
「誰だ? 珍しいな、電話なんて……みんな静かにしてくれ――お電話ありがとうございます。再生企画でございます」
森丘さんが電話を取り、私達はこっそりと聞き耳を立てた。
「はい、はい、え! そんなに頻繁に心霊現象が起きているんですか? ……お祓いですか――本当に謝礼はいらないのですか? すみません、お名前とご住所をお聞きしても宜しいですか?」
依頼と思われるような内容だった。
珍しい。大概、手元に置きたくないから、画像や動画を送りつける人間が殆どなのに。
「群馬県利根郡……山田魅羅さん――はい分かりました。今日はもう遅いので明日昼頃に、お伺いしても宜しいですか? はい、了解致しました。では失礼致します」
森丘は受話器をそっと置き、満面の笑みでこちらを振り返った。
「聞いてくれみんな! 依頼の話が来たぞ! なんでも頻繁に幽霊が出て困っているそうだ。必ず現れるので、間違いなく映るらしい。しかも謝礼無し。お祓いをしてくれればいいそうだ。群馬県と、ちょっと遠いが明日行って来てくれ!」
森丘は、住所と依頼者の名前、電話番号が書かれている紙を、テーブルに置いた。
私はそれをじっと見た。山田みら? 変わったお名前……。
「44本目に相応しい撮影が出来そうだな? というか、また森丘さん待機ですか?」
カメラのレンズを拭きながら、試すように陸也は言った。
「ああ。俺は編集作業もあるしな。お前たちで良いモノを撮影して来てくれ! 編集は任せろ!」
森丘さんが電話を取り、私達はこっそりと聞き耳を立てた。
「はい、はい、え! そんなに頻繁に心霊現象が起きているんですか? ……お祓いですか――本当に謝礼はいらないのですか? すみません、お名前とご住所をお聞きしても宜しいですか?」
依頼と思われるような内容だった。
珍しい。大概、手元に置きたくないから、画像や動画を送りつける人間が殆どなのに。
「群馬県利根郡……山田魅羅さん――はい分かりました。今日はもう遅いので明日昼頃に、お伺いしても宜しいですか? はい、了解致しました。では失礼致します」
森丘は受話器をそっと置き、満面の笑みでこちらを振り返った。
「聞いてくれみんな! 依頼の話が来たぞ! なんでも頻繁に幽霊が出て困っているそうだ。必ず現れるので、間違いなく映るらしい。しかも謝礼無し。お祓いをしてくれればいいそうだ。群馬県と、ちょっと遠いが明日行って来てくれ!」
森丘は、住所と依頼者の名前、電話番号が書かれている紙を、テーブルに置いた。
私はそれをじっと見た。山田みら? 変わったお名前……。
「44本目に相応しい撮影が出来そうだな? というか、また森丘さん待機ですか?」
カメラのレンズを拭きながら、試すように陸也は言った。
「ああ。俺は編集作業もあるしな。お前たちで良いモノを撮影して来てくれ! 編集は任せろ!」