封印戦慄映像
――それって死ぬっていうこと?
「なんでよ! なんで死ななきゃならないのよ!」
「直子とやら。お前は冬馬が好きなんだろう? だったらこの罪人の代わりに死ねるのではないか? 愛とは尊いものだ……そうだろう?」
良寛の声に直子は口を噤んだ。唇を噛み締めている。先程の大粒の涙は止まったようだった。
――冬馬……。
愛しい人の顔をもう一度眺めた。
その薄い唇に何度、重ね合わせたっけ……その大きな瞳を見つめ返すのが好きだったのよ私。……でも、その体は他の人の体温も味わっていただなんて――。
「冬馬……邪魔なのは私でしょう。私のボタンを押して」
「なんでよ! なんで死ななきゃならないのよ!」
「直子とやら。お前は冬馬が好きなんだろう? だったらこの罪人の代わりに死ねるのではないか? 愛とは尊いものだ……そうだろう?」
良寛の声に直子は口を噤んだ。唇を噛み締めている。先程の大粒の涙は止まったようだった。
――冬馬……。
愛しい人の顔をもう一度眺めた。
その薄い唇に何度、重ね合わせたっけ……その大きな瞳を見つめ返すのが好きだったのよ私。……でも、その体は他の人の体温も味わっていただなんて――。
「冬馬……邪魔なのは私でしょう。私のボタンを押して」