封印戦慄映像

「では直子の言葉通り始めようではないか！　その足が傷つくことなかれ！　死刑執行開始じゃ！」


良寛が火蓋を切ったように、怒声を上げた。すると足元の牛がジリジリと動き出した。右足が右へ、左足が左に引っ張られ、徐々に足が開いていく。


「なによこれ！　足が痛いじゃない！　冬馬、ボタンを早く押してよ！」


「く……苦しい、首のロープが食い込む――」


冬馬に括られた輪のロープは、少しづつ引っ張り上げられているようだった。まるで首吊り自殺の光景になっていた。


「冬馬！　冬馬大丈夫？　私は良いよ、冬馬の苦しむ顔は見たくない……倦怠期のようなものだと思っていたけれど、本当は違っていたんだね」


「く……久実」