封印戦慄映像
「陸也……そんなことより出口を探しましょうよ? 撮影なんてもういいじゃない……」


思わず声が上擦ってしまった。


この場でも目を輝かせて語る陸也のプロ根性に驚いた。ヒット作が撮れれば、自らの命も差し出せるような口ぶりだった。


――私なんて、この光景にまだ体が震えているのに……。


「そうだな久実! さっきの部屋にどうにかして戻らないと! カメラを手に入れなきゃ撮影が出来ないからな! 

おい、茂。お前も出入り口を探してくれ。怯えていても、なにも始まらないぞ」


「分かってるけど……お前、あの大量のオーブが怖くないのかよ……」


茂は青白い顔で、黒縁眼鏡を指先で持ち上げ、腰を抜かした体を懸命に持ち上げた。
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