封印戦慄映像
「ねぇ、いつもドアには模様があったじゃない? ここにも、なんらかのマークがあるかも……私、壁から見てみるね」


「確かに言えてる……丁度三人だ。三方向に別れて壁を見てみようぜ。茂が怖がるから、俺はオーブが沢山飛んでいる右側を見てくる」


そういうと陸也は、迅速に右側の壁に急いだ。


「ぼ、僕は真ん中の壁を見るから、久実ちゃんは左側を頼むよ。オーブから一番離れているし、怖くないと思うよ?」


「あ、ありがとう……茂」


無理やり笑って見せる茂の目を逸らした。こんなことが遭っても、私はまだ茂を避けたかった。


左側の壁に瞳を近づける。先ほどの照明は、イベントが終了したかのように全てが消えていた。こちらのフロアは、最初の部屋と同じようように薄暗かった。
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