封印戦慄映像
「陸也、その前に出口確保だろう……もう撮影なんていいじゃないか――あ! ない!」


「どうしたの、茂?」


茂の視線の先は天井だった。下りていた階段は、跡形もなくなっていた。


「階段がなくなっている……出れないじゃないか!」


思わず頭がくらっとし、眩暈がした。ここから出られない? 有り得ないわ……そんなこと!


「出口があったのは、あの辺よね? テーブルをあの下に移動しましょう茂。手が届くかも!」


「ああ、やってみよう」


テーブルの食べ物を下ろし、機材も下ろした。だがそれだけじゃ、手は届きそうにもなかった。


「……そうだ。布団を全部移動させましょう? 積み上げれば届く! 茂、手伝って!」
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