封印戦慄映像
「うん分かったよ! 久実ちゃん!」


茂と私は、陸也がカメラを取り外している寝室に入り込んだ。


「なにをしているんだ? 二人とも?」


「下りてきた梯子が無くなっていたのよ……このままじゃ撮影どころか、屋敷から出れないわよ――陸也も手伝ってよ」


布団を持ちやすいように、たたみながら陸也に言った。


「駄目だ。早速俺は、こいつで大量のオーブを撮影する。脱出するのはそれからだ」


陸也は大事そうにカメラを抱え、撫でていた。


「いい? ……陸也。もしかして私達の命も危ないかもしれないのよ?」


「分かってるって! すぐに戻るから! 後で必ず手伝うからお願い!」
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