封印戦慄映像
「でもこれで一つ把握したことがある……さっきの部屋に、もしかしたら出口があったかも知れないってことだ」


振り返った陸也は、悔しそうに唇を噛んだ。


「……そうよね。あの部屋に私は運ばれたんだから、きっと通り道があったのよね」


そうだ。この部屋の模様は一回押すと開いたまま。中からもう一回押すと閉じる設計だ。


スライド式に開いて自然に閉じてしまう扉は、片方にしか模様がないということだ。


「もう撮影は諦めてさ、布団を取りあえず積むのを手伝ってよ……俺一人はきついよ」
< 80 / 146 >

この作品をシェア

pagetop