封印戦慄映像
「ふんっ。僕はずっと久実ちゃんが好きだったんだ。そんな僕が気付かないとでも? カメラのレンズで熱い眼差しを隠していただろう?

見え見えだし、そんな陸也をいつも可哀想だと思っていた。小心者で、僕みたいにアピールすら出来ないんだからね!」


――陸也が? そんなの今まで感じたことないよ。それに、この状況でそんな話……困る。


「お前、馬鹿じゃねーの! 冬馬がいなくなった途端、やきもちか? クズだな」


「それじゃあ陸也は、久実ちゃんを好きじゃないんだな! 絶対に手を出さないでくれよ!」


茂の思いは一度ちゃんと断ったはずなのに、絞り出す声に面を食らった。


――どうしよう。もう一度断らないといけないのかな。


動揺して、はめている指輪を手の平でぎゅっと握った。
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