だるまさんが鬼になった
時間がない、といっても家は駅のすぐ近く。兄の定期券も持っているため、すぐホームに着くことができた。
3分待っていると、耳に響く音。
電車が来たんだ。
ドアが開き、慌てて飛び乗る。
「っと………すみませ、うわっ」
肩に衝撃が走り、顔をしかめつつも謝った、のだが。
既に周りは人の波。
外に慣れない体に、次々と衝撃が走る。
ぶつかっても謝る必要はないようだ。
まったく、私のいない間に随分と愛想のない世の中になったもんだ。
とりあえず人ごみに巻き込まれ電車の中に入ることはできた。
さて、隣町まで14分はかかる。
溜め息をつきながら、私は電車の壁に手をついた。その時。
「?! なっ……」
先ほどの肩の衝撃とは比べものにならない、ひどい鈍痛が脳天近くに走った。
鈍器で殴られた、そう理解するのに時間はかからなかった。
意識が朦朧とするなか、私は背後から小さな声で呟かれた声をハッキリと聞いた。
「ゲーム開始」
「っ、あ………」
ゲーム(終焉)はもう
始まっている
止まることのない、終焉 ーデスー ゲームが。