あなたの孤独に気づくまで
季節も初夏を迎えて、もうすぐ夏休み。
「美樹ー!お泊まり会しよーよ!」
蒸し暑い教室の中、恵はそう言ってきた。
「お泊まり会…どこで?」
正直、私の家ではとても無理だった。
「私の家だよーん。お母さんが旅行行く日があるから、その日にしよう!OKはもらってるのだ!」
恵はピースして私を見た。
「…旅行って、恵は一緒に行かないの?」
ふと疑問に思い何気なく口にした。
一瞬、恵の顔が曇った気がした。
けど、すぐに元に戻って
「仕事かねての旅行だからねー!あー、お泊まり会楽しみー!」
恵は教室の窓を眺めながら声を高らかに喋り、はしゃいでた。