あなたの孤独に気づくまで
駅から歩いて、すぐに恵の家はあった。
「…すごい。綺麗な家だね。」
思わず息を飲んだ私に
「遺してくれたお父さんに感謝だねぇー」
と、さらっと言いながら恵はドアを開けた。
「え、お父さん亡くなったの?」
思わず聞いてしまった私に
「わからない。ただいないのは確か。なかなかミステリアスでしょー!」
明るく恵は答えてくれたけど、内容はそんな明るく答えられるものではないはず…
私は何も言えなくなって、「おじゃまします」と呟いて、家の中に入っていく恵に続いて入っていった。