あなたの孤独に気づくまで


気付くと外は真っ暗だった。

「もうこんな時間かー。にしても美樹弱すぎ!」

「しかたないじゃん!マリオが言うこと聞いてくれないんだもん!」

「マリオが悪いんじゃなくて操縦士がわるいんだけどねー。」

そういって二人で笑いながらはしゃいだ。


「てか、お腹空いたねーご飯どうしよっか。」

恵がそういった途端、外からパラパラと音がした。

「雨降ってきた?そういえば予報で夕方から雨っていってたもんね…」

「それならピザを頼むのだ!うちは金持ちだからピザを頼むのだ!美樹はお金気にしないでね!」

笑いながら恵はピザ屋に電話していた。

「お、お金ちゃんと出すよ!」

私は慌てて財布を取り出したけど、美樹は5000円札を取り出してヒラヒラさせた。

「ママンから資金は調達気味♪今日は美樹はゲストなんだから気にしないでよ。」

そういって無理やり私の財布を私のバッグに戻しこんだ。


「恵…ホントにありがとう」


今日誘ってくれて
一緒に遊んでくれて
…友達になってくれて

いろんな感情が入り雑じって、私は涙目になっていた。


「どーした美樹!?大丈夫?そんなにゲーム負けたのが悔しかった?」

「ちがうー!」

私は半泣きで笑いながら言った。

「…泣かないで、美樹。私こそありがとう。」


そういって背中を軽くさすってくれた。


不思議だった。何も言わなくても私の気持ちが恵に伝わってるみたいだった。
< 33 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop