あなたの孤独に気づくまで
気付くと外は真っ暗だった。
「もうこんな時間かー。にしても美樹弱すぎ!」
「しかたないじゃん!マリオが言うこと聞いてくれないんだもん!」
「マリオが悪いんじゃなくて操縦士がわるいんだけどねー。」
そういって二人で笑いながらはしゃいだ。
「てか、お腹空いたねーご飯どうしよっか。」
恵がそういった途端、外からパラパラと音がした。
「雨降ってきた?そういえば予報で夕方から雨っていってたもんね…」
「それならピザを頼むのだ!うちは金持ちだからピザを頼むのだ!美樹はお金気にしないでね!」
笑いながら恵はピザ屋に電話していた。
「お、お金ちゃんと出すよ!」
私は慌てて財布を取り出したけど、美樹は5000円札を取り出してヒラヒラさせた。
「ママンから資金は調達気味♪今日は美樹はゲストなんだから気にしないでよ。」
そういって無理やり私の財布を私のバッグに戻しこんだ。
「恵…ホントにありがとう」
今日誘ってくれて
一緒に遊んでくれて
…友達になってくれて
いろんな感情が入り雑じって、私は涙目になっていた。
「どーした美樹!?大丈夫?そんなにゲーム負けたのが悔しかった?」
「ちがうー!」
私は半泣きで笑いながら言った。
「…泣かないで、美樹。私こそありがとう。」
そういって背中を軽くさすってくれた。
不思議だった。何も言わなくても私の気持ちが恵に伝わってるみたいだった。