あなたの孤独に気づくまで
夏休みもあっという間に終わり、私たちのクラスは2学期を迎えた。
夏休みの間、お泊まりはあの一回だけだったけど、私と恵は何度も遊んだ。
楽しかった。
友達と過ごす夏休みってこんなにたのしかったんだ、と小学生の頃を少し思い出した。
いじめにあって以来、いつもは夏休みは1人で過ごし、さびしかった。
けど、私にとってはそれでも学校に行かなくて済む素晴らしい期間だった。
毎年、8月31日は私が絶望の谷へ突き落とされる日だった。
でも、今は違う。
学校が始まっても恵が居てくれる。
それだけで学校に向かう足取りは軽くなった。
…でも何も悩まないわけじゃなかった。
クラスのみんなは恵には好意的だったけど、私には違った。