あなたの孤独に気づくまで

2011年、春


ごく平凡に高校生になった私。
なまえは 木戸 美樹(きど みき)

一度も染めたことのない胸までの髪。
特に可愛いわけでもなく、猫背でよく
「大人しい」「暗い」と言われてしまう。



振り返ると重い気持ちになる中学生時代を思うと、これから始まる高校生活も同じように過ぎていくんだと、ため息が出た。

桜はまだ少し開花しはじめたくらい。
この高校に植わっている桜の木は希望に胸弾む新入生を暖かく迎える。

私は一人取り残されたような気持ちで門をくぐった。