あなたの孤独に気づくまで
「木戸さん。木戸 美樹さん?」
後ろから聞きなれない声がした。
振り向くと、見慣れない女の子が立っていた。
髪は二つ結びで、眼鏡をかけて優等生のような雰囲気の女の子だった。
「私、となりのクラスの
香川 由美(かがわ ゆみ)。
ちょっといい?」
「…へ?あ?…ちょっと!」
私はぼんやりしている間にその香川さんという女子に腕をひっぱられていた。
恵をチラッと見たけど、恵はクラスのみんなと楽しそうに話しててこっちに気づくことはなかった。