あなたの孤独に気づくまで
「まぁ、私の身代わりに木戸さんがなったってことだね。私自身も、元は誰かの身代わりだったのかもしれないけど。」
香川さんは続ける。
「とりあえず、逆らわなければずっと仲良くしてもらえるんだから、いいんじゃない?私は耐えられなかったけど。木戸さん、他に友達いないでしょ。ずっとめぐちゃんのご機嫌とってれば一人になることないんだから。」
ふふっと笑いながら香川さんは校舎に戻っていった。
「…なんなのよ!何でそんなこといわれなきゃなんないのよ…」
私は1人取り残された屋上で自分の拳を握りしめながら呟いた。
9月の空は真っ青で、まだ夏の雲が泳いでいた。