あなたの孤独に気づくまで


「…美樹」

恵は私の涙を自分の指で拭ってくれようとした。


でも、私は止まらなかった。

「入学式の日、私は選ばれたんだね。恵の忠実で裏切らない親友に。たまたま前に座ってたけど、教室に入って来た私の様子を見てたって言ってたもんね。」


恵の動きは止まった。
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