あなたの孤独に気づくまで
「…美樹、そんなこと言うんだね」
そう言った恵の悲しそうな顔に私はハッとした。
「私、どこかおかしいのよ。誰かとどんなに仲良くなってもすぐに終わりがくる。桜の花がいずれかは散るように。壊れないように笑ってみても、みんな離れてく。それが堪らなく怖いの。」
「いずれ、クラスの中でも私は浮いた存在になる。その時に美樹にだけはそばにいてほしかったの。…ただそれだけ。」
恵はそこまで話した後、校舎に戻っていった。
私はそこのベンチに周りが暗くなるまで座り続けた。
…今起こったことを飲み込むのには、時間が必要だった。