あなたの孤独に気づくまで
いつもは誰もいないベンチに、今日は先客がいた。
…恵と岩崎君だった。
後ろ姿ですぐにわかった。
2人ともグラウンドの方を向いてて、恵は岩崎君の肩によりかかっていた。
「透、めぐのこと好き?」
「何度も言わせんなよ。好きだよ。」
「透、ずっとめぐの側にいてね。めぐの事を必要としてね。」
甘い、とても甘い会話だった。
恵、自分のこと「めぐ」って言うようになったんだなぁ…
そんなことをぼんやりと考えながら、2人に気付かれないように私は校舎に戻った。