あなたの孤独に気づくまで



すると、香川さんは少し悲しそうな顔をした。


「ごめんね、別に木戸さんを怒らせたかったわけじゃなかったの。あの日の言い方も悪かった。ごめん。」


思いがけない香川さんの言葉に私は

「…え」



と、だけしか言えなかった。



「高校に入って、めぐちゃん見てたら木戸さんといつも一緒で。でも、見てるだけでわかったよ。木戸さんは中学の時の私だって。だから、木戸さんの事も気になって、いろいろ見てた。」


私と香川さんの間に心地よい風が通り抜ける。

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