あなたの孤独に気づくまで
香川さんと二人でお互いを見つめることなく、屋上から見えるグラウンドを見つめながら泣いている自分をお互い落ち着かせた。
「…こんなこと、木戸さんは知らなくても良かったのかもね。でも、知ってほしかった。めぐちゃんがもしまた同じことを繰り返すなら、何も知らないふりなんてしたくなかった。」
少し目が赤くなった香川さんは、グラウンドから私に視線を変えて
「…本当はただ、誰かに聞いてほしかっただけなのかもね。ごめんね、木戸さん。聞いてくれてありがとう。」
私も香川さんを見つめて
「…最初は何なのって思ったけど、今は話してくれて感謝してる。ありがとう。
」
そう告げると、香川さんは少しだけ笑って校舎に戻っていった。