四日間の絆

美雪の進歩

私は、はじめ無視しようとしていた。
でも、せっかく話しかけてくれたから、名前だけでも伝えてみようかなと思っていたら、「名前言って?」
と言われた。
けれども、私はどう伝えたらいいのか、パニックになりかけていた。
だから、すぐ近くにあった紙とペンを使って名前を伝えることにした。
私の母が書道の先生だったので、“美雪”
と書くと、書道の癖が抜けず、なんとなく恥ずかしい気持ちになった。
そんな美雪を気にせず、亮は
「いい名前だね。それに字もすごくきれいだ。」と言った。
初めて人とのつながりを感じた。
母とは親子という考えしかどう頑張っても持てなかったから。
それに小中学校はよく先生が気をすごく使っていたと思う。
誰が見ても分かるぐらいだったから。
そのおかげで人と話す必要がなかった。
その当時と今を比べると、
ペンで書いて話しをしただけじゃないかと思うかもしれない、だけど私にとっては大きな進歩だ。
亮は「また来るから。」と言って帰っていった。
私はその日、すぐに深い眠りについた。
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