きっと絶望だ

 おはようからおやすみまで全ての時間が彼色に染まり尽くしていた私が、何を想うかも知らずに。

 当然ともいいた気に途切れていく感情の栓に蓋を出来ず、届かない言葉を零しては自身を殺そうと試みた。

 狂気じみている、狂っているのかもしれない、そんな冷静な自分に笑いながら獲物(刃物)を探した。

 二人で共有した部屋の中に、私を傷つける道具はない。

 ソファーをひっくり返したかったが一人では無理だった。

 彼がいなければ何も出来ないのかと叫び、刃物を探し回る。

 どこを探してもないと喘ぎふと、台所に目をむけた。

 常識的にかんがえて台所には包丁があるじゃん。

 
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