きっと絶望だ

 慌てて駆け寄ろうとして右足が左足に絡まり、バランスを崩し額と膝を打った。

 手と足で慌てて床をはい、刃物を求めてバカのように喘いだ。

 手を伸ばし包丁の入った棚に縋るようにつかまり包丁を手にした。

 …でも、包丁で腕を切り裂くことはできなかった。
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