亡くなった彼女の蹴り
彼女は、クオーターで白人の血が入っている為に遠くから見ると外国人に見えた。
彼女の美しさを形容する言葉を僕は、残念ながら持ち合わせていない。
僕も四十年以上生きてるので美しい女性は、沢山見てきたつもりだが、彼女は特別だった。
僕は、ベンチに座って煙草を吸うと彼女が眉をひそめながら言う。
「煙草ばかり吸ってると身体に悪いでつよ。」
僕は、笑いながら彼女の忠告を無視する。
彼女は帰国子女の為に日本語が、苦手だったのだが、話す事や書く事一般的な日本語は、全く問題なかった。
わざと、たまに上手く話せないふりをして僕を笑わせた。
僕は、煙草を携帯灰皿で消すと立ち上がってゆっくり歩き出した。
彼女は、立ち上がると僕のお尻を思いきり蹴った。
「無視でつか?」
僕は、お尻を押さえながら笑った。
わざと言葉を間違えたふりをするなら無視して
やろうと思った。