Only my prince
なんで私はまた同じことを繰り返さなくちゃいけないんだろ。でももう私から和くんと離れることなんて無理だ。たとえ2番目でも和くんのそばにいたい。





「じゃあ、また連絡するから」




「うん。気をつけて帰ってね」




もう引き止めることはしない。和くんは今から萌のところに行くんだ。



私は引き止めちゃいけない。2番目の彼女なんだもん。



でも辛いよ。苦しいよ。




「彩音、可愛い。好きだよ」


どんなに好きだって言われても可愛いって言われても響いて来ないよ、和くん。




送り出した後、ドアに凭れて滑り落ちるようにして泣いた。
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