七赤村
第1章
儀式
柔らかい木の匂いが、鼻をかすめた。
ぼやぼやと意識が戻ってきて、背中に布団の感触が戻ってくる。
何時・・・・?
ゆっくりと瞼を持ち上げようとするけど、睡魔が襲ってきて開けられない。
半ば強引に目を開くと、今にも落ちてきそうなほど古びた天井が視界に入ってくる。
体を反転して時計を見ると、夜の11時だった。
・・・そうだ。すっごい眠くなって、ちょっと寝ようと7時くらいに横になったら、そのまま寝ちゃったんだ。
まだショボショボする目を、何回も瞬きすると、少し頭が痛くなった。
「お兄ちゃん!起きて」
やっと上半身を起こした僕に、妹の沙由の声がふりかかる。
もっかい寝てやろうかと思ったけど、
これ以上寝たら、儀式に間に合わなくなるのでやめた。
「・・・もう起きてるよ」
少しかすれた声で、僕は沙由に向かって呟く。
ユラユラしながら立ち上がり、僕は電気をつけた。
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