月と太陽
玄関で1人で待つのは退屈だった。

外の空気でも吸って、待っていよう。

そう思い、生徒用の駐輪場付近まで歩いて行った。

空には雲が多く、雲の隙間から空の姿が少し見えるくらいだ。

髪の間を風が通り抜けるのを感じる。

気温は高いが、風のおかげで体感温度が低くなっているような気がした。

すると、異様な気配を感じた。

「し〜ずくちゃ〜ん」

聞き慣れない男の声がわたしの名前を呼ぶ。

聞き慣れないが、聞いたことのある声だ。

この声は、とても印象が悪い。
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