月と太陽
金髪に近い茶髪のロン毛男。

麗佳を「汚ギャル」と呼んだ男だ。

ロン毛男が一歩一歩近付いて来る度に、自分の顔が強張っていくのを感じた。

「雪女姿も良かったけど、制服もいいね〜」

わたしの1m先で立ち止まったロン毛男は、わたしの顔を覗き込んで言った。

わたしは彼から顔を逸らした。

どうしよう…、恐怖のあまり「逃げる」ということすら考えることが出来ない。

すると、わたしとロン毛男の間に誰かが割って入った。

わたしは驚いて見上げた。

涼の後ろ姿が目の前にあった。

「しずくに何の用かな?」

冷静な声で涼は言った。

ロン毛男は一歩下がると、ヘヘッと笑った。
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