月と太陽
「ほほ〜、緑川じゃねーか。しずくちゃんはお前の何なんだ?お前には、自慢のハーフ女がいるだろ」

涼を挑発しているかのようにロン毛男は言う。

しかし、涼はいたって冷静だ。

「しずくは俺の大切な友人だ。手を出してもらっちゃ困る」

「ふ〜ん、しずくちゃんは幸せ者だなぁ。四天王に守られててよ」

そう言い残すと、ロン毛男はあとの2人に「行こうぜ」と言って、立ち去って行った。

「しずく、大丈夫か?」

涼が初めて振り返る。

わたしは思わず、涼の腕にしがみついた。

「うん、ありがとう…。凄い恐かった」

「あいつらには気を付けた方が良さそうだな。タケルたちにも知らせておいた方がいい」

「あ、でも、四天王って…何?」

わたしの問いに涼は静かに笑った。
< 138 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop