月と太陽
掃除が終わると、わたしはスクールバッグを持ち教室を出て、階段を駆け下り玄関へ走った。

すると、こちらに背を向けるようにして玄関に座るタケル、匡人、涼の姿が見えた。

「お待たせ」と喉まで出かかった時だ。

「しずく、心配してたぞ」

涼の言葉にわたしは足を止めた。

「まだ悩んでるのか?アメリカで勉強するのが、お前の夢だっただろ」

タケルの肩に手を置いて、匡人が言う。

アメリカで勉強?

何の話なのか、さっぱりわからない。

タケルは肩を大きく動かし、溜息をついているように見えた。
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