月と太陽
今が何時なのか、あまり気にはならないが、自然と携帯電話で時間を確認する。

13:12。

お腹は空いていないが、何か食べよう。

そう思い、フラフラする足で台所へ向かう。

冷蔵庫を開けてみたが、すぐに食べれそうな物は入っていない。

わたしの視線は、無意識に居間のテーブルに向けられた。

置かれたままの3人組。

わたしはそのうちの1人を手に取ると、財布と携帯電話、それから家の鍵を持って近所のコンビニへ向かった。

コンビニまでは歩いて5分もあれば着く。

わたしはサンダルの踵を引きずりながら歩いた。

すると、すぐそばでわたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。

わたしは足を止め、声の主を探し、辺りを見回す。

わたしと視線が合い、こっちに向かって走ってきたのは亜利沙だった。
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